●ポジティブリスト制度と従来制度
- ポジティブリストとネガティブ
- ネガティブリスト制…農薬等の使用は原則自由で、「残留してはならないもの」を一覧表にして示すという方式
- ポジティブリスト制…農薬等の使用は原則すべてを禁止し、「残留を認めるもの」のみを一覧表にして示すという方式
- 実際にはどうかわるのか?
- 農薬飛散に注意!!
新しい残留農薬基準をポジティブリストというのに対し、従来の基準はネガティブリストと呼ばれます。
従来、食品衛生法による農薬残留基準(ネガティブリスト)では、130の農作物分類と249農薬についてその残留基準が設定されていました。つまり、原則的には、自由で、流通させてはいけないものをリストアップするという方法がとられていました。
輸入農産物の激増のなか、従来のネガティブリスト制の場合、残留基準が設定されていない農薬については、いくら残留があっても規制できずに問題となっており、より厳しいポジティブリスト制の導入が決定したようです。
では、ポジティブリスト制度が施行されると、実際にはどうかわるのでしょうか。具体的なイメージを表で説明すると下記のようになります。
従来の残留農薬基準(例) | 農薬A | 農薬B | 農薬C |
---|---|---|---|
米 | 1.0ppm | 5.0ppm | 基準なし |
小麦 | 1.0ppm | 基準なし | 基準なし |
キャベツ | 0.5ppm | 2.0ppm | 基準なし |
○○○ | 基準なし | 基準なし | 基準なし |
△△△ | 基準なし | 基準なし | 基準なし |
ポジティブリスト制 (例) |
農薬A | 農薬B | 農薬C |
---|---|---|---|
米 | 1.0ppm | 5.0ppm | 2.0ppm |
小麦 | 1.0ppm | 5.0ppm | 0.01ppm |
キャベツ | 0.5ppm | 2.0ppm | 0.01ppm |
○○○ | 0.01ppm | 0.01ppm | 0.01ppm |
△△△ | 0.01ppm | 0.01ppm | 0.01ppm |
注2)背景無し:ポジティブリスト制度施行以前の残留農薬基準
注3)背景オレンジ:暫定基準(国際的な基準等を参考に暫定的に設定された基準)
注4)背景ピンク:一律基準(現段階で残留農薬基準が設定できないものについては、一律に0.01ppmを基準とする)
目的とする作物のみならず、その周辺で栽培されている作物についても、基準を超えて農薬が残留することがないよう、農薬飛散についてはこれまで以上に注意を払う必要があります。
飛散した農薬が原因であっても残留農薬基準を超えれば食品衛生法違反となり、当該作物の流通は禁止されます。
(参考)岐阜県HP
次は、ポジティブリスト制度と農薬飛散についてです。